第2回 AIに記事を書かせるのではなく、AIと記事を作る方法

AI時代の業務設計調査

2026/07/04

第2回AIに記事をかかせるのではなくAIと記事を作る方法

専門家は生成AIを、どう役割分担させているのか

本記事は、前回紹介した「AI時代の自由記述分類(アフターコーディング)」(以下「元記事」)がAIを使って、どのような手順で作られているのかを解説するものです。

生成AI活用の多くは、「ChatGPTやClaude、Copilotを使えば短時間で記事が作れる」といったツールの紹介にとどまりがちです。
しかし元記事の制作は、生成AIに記事作成を丸投げしたものではありません。

  1. ChatGPTとの壁打ちで構想を練り
  2. Claudeで文章化し
  3. Geminiで別視点の検証を行う

このように工程を分解し、役割を分担することで、専門性のある記事として仕上げています。

「記事を書いて」ではなく「壁打ち」から始まった

元記事の制作は、最初から生成AIに「記事を書いてください」と依頼したわけではありません。

まず、ChatGPTを相手に、自由記述分類におけるAI活用のあり方について 10数回の壁打ちを行いました。この段階では、まだ記事本文は1文字も書かれていません。

議論の中心は大きく以下の5点に整理されます。

この壁打ちの内容が「記事として成立する」と判断しました。

対話ログをClaudeに渡し、構成・文章化を任せる

ChatGPTとの議論が一定量たまった段階で、その対話ログをコピー&ペーストでClaudeに渡し、次の3つの作業を担当させました。

工程内容
論点整理対話ログから、記事の軸となる主張と補足的な論点を切り分ける
見出し構成読み手が理解しやすい順序・章立てに組み立てる
文章化口語的な議論を、Web記事として読める文章に整える

重要なのは、Claude上で新しい主張を追加しているわけではないという点です。
ClaudeはChatGPTとの議論の内容を、整理し、順序立て、文章として仕上げる、といった役割のみを担当しています。

人間による確認・修正

Claudeが作成した文章を人間が読み返し、次の観点で修正しました。

生成AIの文章は論理的には整っていても、実務者の肌感覚と異なることがあるため、ここで人間が最終調整を行いました。

Geminiには「新たな視点」「発想の飛躍」を任せる

記事の骨格が固まった段階で、Geminiには起承転結の「転」を担当させるため、

という相談を投げかけました。

提案の多くは文脈に合わず採用しませんでしたが、「1件ずつ判定する方法と、複数カテゴリを一括判定する方法(マルチラベル出力)を比較する」という視点は価値があると判断し、元記事へ反映しています。

担当役割
人間構想・最終確認・判断(すべての最終責任)
ChatGPT多角的な視点からの切り返しや、論理の矛盾の指摘
Claude長大な対話ログを破綻なく読み解き、自然な文章を作成
Gemini意外な角度からの提案や、思考を広げるための視点提供

人間と3つの生成AIの役割

記事制作では、人間と3つの生成AIが次のように役割を分担しました。

※実際の運用では、タスク内容に応じて役割は一部重なります。

元記事の中身と記事の作り方は同じ構造になっている

人間が設計し、AIが実行し、人間が判断する
この構造をそのまま記事制作プロセスに適用したのが今回の事例です。

役割分担の考え方元記事の内容記事の作り方
人が設計人間がカテゴリを設計人間が記事を構想
AIが実行AIが全件判定 AIが整理・構成・文章化
人が判断人間が結果を判断人間が最終確認

実は元記事の自由記述分類のプロセスと、記事制作のプロセスが同じ構造になっている点は、今回の事例における興味深い視点といえます。

本当に伝えたいこと(AIのモデルではなく、役割で選定)

今回のやり取りから明らかなように、弊社では生成AIを「どのモデルが一番賢いか」ではなく、「どの役割を誰に任せるか」で使い分けています。

モデルの優劣ではなく、業務を分解しAIごとの得意不得意を考慮して役割分担を行っています。

まとめ

今回の記事は、次のようなプロセスで作られました。

記事制作という小さな業務ですが、AIを業務プロセスへ組み込む際の役割分担について紹介しました。

AIを「文章を書く道具」ではなく、業務を分解した上で「業務を実行する担当者」として扱う。
この考え方は、自由記述分類だけでなく、集計、分析、レポート作成、さらには日々の業務設計にも応用できます。

人とAIの役割分担は、今後の業務設計の前提条件になっていくと考えています。

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